アボカドの話

アボカドの歴史

インカ帝国の王様も食べていた?

アボカドは熱帯コロンビア・エクアドル・メキシコ南部に野生していたものでアステカ族により栽培されていました。その後16世紀に入ると、アメリカへ伝わったのです。

また、13世紀末のインカ王の墓から、多くの歴史的発見とともに、アボカドの種も発見されました。何百年も前のインカ帝国の時代から、アボカドは大切な食料として栽培されていたようです。

アボカドってどんなもの?

ギネス認定の栄養チャンピオン

アボカドは、クスノキ科・ワニナシ属のフルーツ。日本名は「ワニナシ」ですが、最近は「アボカド」で統一されています。

甘くもなく酸っぱくもなく、少し塩気を感じる果肉はきめが細かく、口あたりはなめらか。それがアボカドの特徴です。

さらに、その栄養価の高さはギネスブックにも記載されているほど。アボカドは栄養価No.1のフルーツとしても認められているのです。

 

●バターに並ぶ高い栄養価

熟した果肉のなめらかで濃厚な口当たりや豊富な栄養面から、アボカドは「森のバター」と形容され、人々に広く親しまれています。バターのように栄養価が高いのは、果肉の約20%が脂肪分だから。といっても、そのほとんどは不飽和脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸、リノレン酸です。つまり、ヘルシーな脂肪というワケ。また、各種ビタミン、ミネラルを含み、特に抗酸化作用があるビタミンEが豊富です。 

 

《不飽和脂肪酸って?》

あぶらの性質を決める脂肪酸には不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸があります。

   

①飽和脂肪酸

バターや牛脂のような、常温で固体のいわゆる「脂」に多く含まれる脂肪酸です。エネルギー源や細胞膜の材料として使われますが、とり過ぎると動脈硬化などの生活習慣病の原因となるので注意が必要です。

   

②不飽和脂肪酸

オリーブオイルやなたね油など、常温で液体の「油」に多く含まれている脂肪酸。

不飽和脂肪酸にはいくつかの種類があり、中でもアボカドに含まれる「オレイン酸」は善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールを減らす働きや、動脈硬化などの生活習慣病を防いでくれる効果があります。

オリーブ油やなたね油も、アボカドと同じ不飽和脂肪酸を含みます。これらは酸化しにくく熱にも強いので、調理に使うのもオススメです。

Column・アボカド豆知識

●アボカドって野菜?果物?

農林水産省の定義では、畑になるものは「野菜」、木になるものは「果物」とされており、木の実であるアボカドはれっきとした「果物」です。ギネスブックにも、世界一栄養価の高い「果物」として認定されています。

 

●種類はなんと500種以上!

中南米原産のアボカドには、実に500種以上もの品種があります。その中で食用にもっとも利用されているのがメキシコ産の「ハス」。表面がゴツゴツしているもので、日本市場の約9割がこの品種です。また少量ですが「フェルテ」や「ヤルナー」など、表面のなめらかな国産品種もあります。

●世界各国食べ方イロイロ

日本ではサラダやお寿司のネタとして食されることが多いアボカドですが、国が変わると食べ方も様々です。