食物繊維のコト

食物繊維とは?

食物繊維は人の体内で消化されにくく、吸収されない特徴があります。

そのため、ほとんどエネルギーにならないことから、かつては人の身体に不要なものと考えられていました。

しかし、研究が進むにつれ、胃や腸の中を移動することで様々な健康効果を発揮してくれることがわかってきたのです。

今では5大栄養素に続く、第6の栄養素とも呼ばれます。

 

食物繊維は大きく水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維に分かれ、さらに複数の種類があります。

特性の違いによって働きも異なるので、色々な食品から複数種の食物繊維を十分な量、補うことが健康効果を最大限に引き出すためのポイントとなります。

 

<参考>NEWS & COMMUNICATION359号

量も種類も理想的。
昭和の食生活に学べ!

かつての日本の食事では十分な量の食物繊維がバランス良くとれていました。

しかし、食生活の変化によってその摂取量は減少し、十分とは言い難い状態が続いています。

2020年版の日本人の食事摂取基準では、18〜64歳で男性21g以上、女性18g以上の目標量が定められていますが、男性・女性共に足りていません。

また、生活習慣病予防のための理想的な量は24g以上と言われています。

色々な食物繊維をとるには?

穀物、豆、野菜、芋、海藻などさまざまな食材を意識して選ぶことで、異なる種類の食物繊維がとれます。

 穀類、豆類、野菜類など・・・セルロース

 きのこ類、オート麦など・・・β-グルカン

 ごぼう、チコリの根など・・・イヌリン

 果物、野菜類など・・・ペクチン

 豆類(グァ豆)など・・・ガラクトマンナン

 こんにゃくなど・・・グルコマンナン

 昆布、ワカメなど・・・アルギン酸

 

\ちょっとの工夫で差がつく食物繊維の量と種類/

いつもの食事にちょっと足す、ちょっと置き換えるだけで食物繊維の量と種類を増やすことができます。

例えば、白米に雑穀やひじき入りのふりかけを混ぜる、パンを選ぶときは全粒粉入りのものを選ぶ、昆布やきのこなどの佃煮を常備しておく……など。

できることから意識して取り入れてみてください。

※NEWS&COMMUNICATIONは三基商事㈱が会員様向けに発行している情報誌です。

三基総合研究所研究レポート
[複合の食物繊維]

三基総合研究所が解明した、複数の種類の食物繊維を組み合わせた「複合の食物繊維」の働きをご紹介します!

<参考>NEWS & COMMUNICATION初夏特別号2021

●血糖値の上昇を抑える

食物繊維を含む食品は、食後の血糖値の上昇を緩やかにし、体脂肪の蓄積を抑制することがわかりました。

【実験】

内臓脂肪型肥満で血糖値が高めの日本人男性30名を「複合の食物繊維(※)を含む食品」と「食物繊維を含まない食品」を摂取するグループに分け、1日3回食事と一緒に12週間摂取してもらいました。

※オート麦、チコリ根、グァ豆、蒟蒻芋、海藻由来の食物繊維を含む

【結果】

「複合の食物繊維」を摂取したグループは体重、BMI、腹囲が摂取前と比べ顕著に減少しました。

さらに、空腹時血糖と血糖値を下げるホルモンであるインスリンの血中濃度も摂取前と比べて顕著に減少しました。

これは、インスリンが効率よく働き、必要量が減っていることを示します。

<参考>J. Dietary Suppl 2013;10:129-141

●脂肪の吸収を抑える

食物繊維は、脂肪の吸収を抑制することが知られていますが、食物繊維の種類によって異なるメカニズムで抑制していることがわかりました。

胃を通った脂肪は、吸収され全身へと運ばれるまでに主に3つのステップがあります。

①腸管で消化酵素によって分解され、小腸の細胞に吸収される。

②小腸の細胞で再び脂肪に合成される。

③小腸の細胞からリンパ管を通って血管に入り、全身に運ばれる。

オート麦由来の水溶性食物繊維であるβ-グルカンは、①の脂肪を分解する酵素の働きを抑制することが確認されました。

また、チコリ根に含まれるイヌリンと、グァ豆に含まれるガラクトマンナンは③の小腸の細胞からリンパ管へ吸収されるのを抑制することが確認されました。

<参考>日本栄養・食糧学会 2014;2N-15p

日本栄養・食糧学会 2014;2N-16p

●有害物質を排泄する

食物繊維は農薬や環境ホルモンなど、食べ物と一緒に身体の中に入ってきた有害物質を吸着し、便として排泄する働きがあります。

一種類の食物繊維を摂取した場合と、異なる種類の食物繊維を組み合わせた複合の食物繊維を摂取した場合では、複合の食物繊維を摂取した場合の方が有害物質の吸着効果が高くなり、便への排泄量が増加することがわかりました。

【実験】

ラットを3つのグループに分け、環境ホルモンの一種であるビスフェノールAを摂取させた後、①通常の餌、②単一の食物繊維を含む餌、③複合の食物繊維を含む餌のいずれかを6日間摂取させ、その後3日間、便へ排泄されるビスフェノールAを測定しました。

【結果】

複合の食物繊維を摂取すると、有害物質の吸着効果が相乗的に高くなり、便への排泄量が増加することがわかりました。

<参考>日本栄養・食糧学会 2010;3H-01a

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